メランコリック街道

書きたいことを書く

忘れものをしてはいけません。

私はこれまでの人生で忘れ物をしたことがない。否、したことがないというと語弊がある。極たまに教科書を忘れたり、筆記具を忘れたりはした記憶がある。しかし、それも学生の時だけで働きに出るようになった今は、一切忘れ物をしないでいる。
忘れ物をしない私は誉められる。良い子だね、しっかりものだねとみんなから称賛を受けた。誉められるのが嬉しくて、私は絶対に忘れ物はしない、間違いはしないと心に刻み付けていた。しかし、これも学生の時だけで働きに出るようになった今、忘れ物をしないのが世の中の当たり前になっていることを知った。
忘れ物をしないのが当たり前なんだ。昔はあんなにみんな忘れ物をしていたのに、いつの間にか平然とこなしている。私は今でも忘れ物をしないように頑張っているのにも関わらず、みんなは当たり前にやっているんだ。私は忘れ物をしないことが自慢だったし、周りから認められている瞬間でもあった。いつの日からかみんなができる当たり前のことを頑張っている人になっていたんだ。一生懸命やらなきゃみんなの当たり前に並べないんだ。期日までに仕事をこなすのは当たり前?上司に言われたことを守るのは当たり前?やらなきゃいけないこと、やってはいけないことを忘れないのは当たり前?私は忘れ物をしないから、どんな些細な仕事を忘れない。しかし、もう忘れ物をしないだけでは誰も誉めてくれない、見てもくれない。
忘れ物はしない。
忘れ物はしない。
忘れ物はしない。

忘れ物はしないしかない。